冬の足音


日の出が遅くなってきて、きれいな朝焼けを目にする機会も増えた。

東京はしばらく、週末になると天気が崩れることが多かったが、今週末は気持ちよく晴れたので、冬用のふとんも出して干した。
外気の匂いがするおふとんにくるまって眠るのは幸せだ。
そういえば、外から帰ってきた子供の頭も、とりこんだばかりのふとんのようないい匂いがする。

今日のCOVID-19

寒くなってくると感染症の拡大が心配だが、COVID-19は、少なくとも東京では、9月からこっちRt=1前後に保たれている。
といえ、発症日ベースでは毎日100人程度の陽性者が出ている。この状況を「落ち着いている」と表現していいのかはわからない。
どこかで大規模なクラスタが発生して、その封じ込めができないうちにクラスタの連鎖が生じれば、一気に大規模な感染拡大につながる危険性は常にある。
いったんは感染減少に向かったヨーロッパやアメリカで、再びすさまじい感染拡大が起きている*1のを見ると、日本もまだ安心していい時期ではなさそうだ。

仮に、日本では既に感染防止を意識した行動変容が定着していて、このままの生活を続けていればこれ以上の感染拡大は抑制できるかもしれないとしよう。しかし、このペースで感染が続くのであれば、病院は常に、この疾患のための空きベッドを確保しておかなければいけない。このまま医療機関に財政的/人的負担をかけ続けていてよいのか。
やはりどこかで積極的に感染を減らす対策が必要なのではないかと思うが、このままwithコロナ生活が続きそうなのが心配だ。

今日の読書

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最近読んだ本の中で抜群におもしろかったのが『死神の棋譜』(奥泉光)。

鳩森神社の将棋堂に突き刺さっていた謎の矢文と、そこに書かれていた不詰めの図式(詰将棋)。
図式を拾って失踪した元奨励会会員。
ちらつく謎の宗教団体の影。
主人公と共に謎を追う美人女流棋士。

ミステリのような伝奇小説のような、乱歩作品にも似たスリルに満ちた極上の一冊だった。

今日の映画

kimetsu.com
換気ばっちり・ディスタンス(ほぼ)ばっちり・会話なし、の三拍子揃ったコロナ対応エンターテインメントといえば映画。
ということで、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編を見てきた。

連載当初から完結まで本誌で追って、もちろんコミックスも買っている原作ファンだが、正直言ってここまでの大人気作品になるとは思わなかった。
いまやどこへいっても鬼殺隊メンバーのイラストがあふれているし、炭治郎たちの声が聞こえる。私は人間だから我慢できたけど、鬼だったら我慢できなかった。

無限列車編は素晴らしかった。
疾走する列車と、その上や中で繰り広げられるアクションのスケールや勢いは、大きなスクリーンでこそ迫真の映像表現ができるものだろう。

猗窩座戦もよかった。
それまでとはまったく異質なBGMと共に登場した猗窩座の第一声。この声の主はとてもよく知っているはずなのに、これまで知っているあの人ではない、というゾクゾクするような衝撃に打たれた。
そして猗窩座と煉獄さんがひたすら肉体と魂をぶつけ合うような戦闘シーン。圧倒的だった。

音響のあまりよくないスクリーンで見てしまったのだけが悔やまれるが、それでも明日から心を燃やして前を向いて生きていこう、という力をもらえた気がする。
今度はもっと音のいい劇場で二度目を見たい。

このコロナ禍の中、多くの困難を乗り越えて、素晴らしい作品を作ってくださったスタッフやキャストの皆さんに心からお礼を言いたい。ありがとうございました。