緊急事態宣言延長の見通しに揺れた1週間

COVID-19を巡る記録、前回は4月26日まで。
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今週は、しばらくの間は、東京での新規感染確認数が比較的少ない状態で推移していた。
しかし、後半になって大きなクラスターが見つかったこともあり、再び東京の新規感染確認数が100人前後で推移することに。

全国では、感染拡大を抑えられていると言えそうな地域(1日あたりの新規感染確認数が10人以下)も多くなってきたので、全国一律の行動制限(と、その根拠となる緊急事態宣言)を延長するか否かの難しい政治的判断が必要な状況となった。

そんな今週1週間の記録は、今日、5月3日まで。

4月27日(月) 3週続けて雨の月曜、ジャンプは合併号

<主なできごと>
東京都、新たに39人の感染確認
東京 新たに39人感染確認 6人死亡 新型コロナウイルス | NHKニュース

妊婦向け布マスク納入元、非公表だった4社目が明らかに
非公表の4社目、菅長官明らかに 妊婦の布マスク納入元 [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル

妊婦向け布マスク、保健所が検品を行っているところも
アベノマスクで不良品続出、戦場と化した「保健所」に大量の検品を“押し付け”…現場の怒り

安倍首相、新型コロナウイルスへの対応の全責任が自身にあると説明
新型コロナ:首相「全責任は自身に」 10万円巡る混乱陳謝 :日本経済新聞

<感想>
感染拡大の最前線ともいえる東京だが、先週に引き続き、1日あたりの新規感染確認数が100人どころか50人を下回り、とても嬉しい週の始まりとなった。とはいえ、この病気を新たに受け、また継続して苦しんでいらっしゃる方がたくさんいらっしゃると思えば、これで安心、と思うことはとてもできない。

ここのところ、汚れや異物混入が問題となっていた政府配布の妊婦向け布マスクだが、その納入元が明らかになった。
といっても、納入元とされていた4社のうち最後の1社だけなかなか公表されていなかったのが、ようやく明らかになったという次第。
さらに、その最後の1社の事業の実態もわからず、急に登記事項変更の申請もされているということで、SNSでも話題が沸騰していた。
多額の随意契約がどのような経緯でなされたのか、しっかり公表してほしい(と思うが、この政権にはあまり期待できない)(が諦めたら終わりなので期待しないといけない)。

しかし、このひどすぎる品質の布マスクについて、検品を押し付けられている保健所があるという報道も見て驚いた。
保健所は今、感染確認と検査や病院の手配、そして濃厚接触者の追跡等の業務に追われて疲弊が極まっている状況だと理解している。その上さらに、政府の思いつきによる配布布マスクの品質の保証業務まで押し付けていいはずがない。とんでもない話だ。

安倍首相は、新型コロナウイルスへの対応の全責任が自身にあると言っているが、今までと同様、どういう結果に対してどのようなやり方で責任を取るかについてはまったく言及がない。責任という言葉の意味と重さを、ここまで短期間に激変させた人もそういないのではないか。

<個人的なできごと>
朝、NHK連続テレビ小説『エール』を見た。裕一と音の恋模様が盛り上がっている。
音は、自分の家の事業である馬具を「間接的に人を殺める道具」として形容したが、この描写は明らかに、後に裕一が作る戦時歌謡を踏まえていると思う。どちらも「人を乗せる」ものでもある。

午前中のみ出勤。
先週の月曜日と比べて、オフィス街の人通りは驚くほど増えていた(もっとも先週の月曜は1日雨で、この日はお昼までは曇り)。

午後からは雨が降り始め、やがて大雨に。ハニーホットミルクと電気膝掛け毛布を装備して在宅勤務。

終業後は2週間ぶりのジャンプ。鬼滅の刃、ちょうど藤の花の季節にこの展開を、と胸が熱くなった。
昭和天皇物語6巻も読んだ。

家族で録画ポワロを見た後は、パオロ・ジョルダーノ『コロナの時代の僕ら』を読んだ。

コロナの時代の僕ら

コロナの時代の僕ら

ハヤカワ・オンラインで無料公開されていたときにも読んでいたが、改めて通読すると、読後感がイワン・クラステフ『アフター・ヨーロッパ』と似ている。
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これだけ文化も歴史的背景も違う欧州と日本とで、起こっている(起こりうる)危機の性質がこれほどまでに似通っているのか、と思う。

4月28日(火) 配布布マスク迷走

<主なできごと>
東京都、新たに112人の感染確認
東京都 新たに112人の感染確認 再び100人超に 新型コロナ | NHKニュース

27日の人出、おおむね横ばい
27日の人出 「特定警戒都道府県」おおむね横ばい 新型コロナ | NHKニュース

妊婦向け布マスク、不良品3万枚に
妊婦向け布マスク 不良品3万枚に | NHKニュース

菅官房長官、布マスクの「納入業者の選定や調達は適切に行われた」と強調
布マスク「納入業者の選定や調達は適切に行われた」官房長官 | NHKニュース

小泉環境相、ごみ袋に収集員激励のメッセージをと呼びかけ
ごみ袋にメッセージを 収集員への激励呼び掛け―小泉環境相:時事ドットコム

CDC、COVID-19の症状に "味覚異常" などを追加
新型コロナ 症状に“味覚異常”など追加 米CDC | NHKニュース

緊急事態宣言延長は、直前まで状況を見極めてからと西村経済産業相
西村経済再生相 「宣言」延長は直前まで状況見極めて判断 | NHKニュース

コロナ専門家有志の会「#うちで治そう」の標語を撤回
コロナ専門家有志の会「#うちで治そう」ひっそり撤回に批判の声 | 女性自身

国内のコロナ、武漢ではなく欧州から伝播? 感染研調べ
国内のコロナ、武漢ではなく欧州から伝播? 感染研調べ [新型コロナウイルス]:朝日新聞デジタル


<感想>
昨日の人出はおおむね横ばいだったとのこと。しかし、ランチタイムに都心で私が見た景色の印象はずいぶん異なる。しょせん個人の印象にすぎないのではあるが。

話題の布マスクについて、菅官房長官は「納入業者の選定や調達は適切に行われた」と強調している。これもまた今までどおりの釈明の言葉ではあるが、適切かどうかを国民が判断できるように、「個別企業との交渉の経緯はさまざまだが」というその経緯を公開してほしい。
「こういう記録があるから適正・適切だと考えるし、あなた方もそう考えるでしょ」
「そうですね」
というやりとりができなくて
「記録はない(見せられない)が、我々が適正・適切だと言うのだからそれで納得しろ」
「エー、無理。記録見せろ」(振り出しに戻る)
となるのが、この政権の極めつけにひどいところである。

緊急事態宣言の延長は、直前まで状況を見極めてから、ということである。
もちろんデータは日々刻々と変化するものだから、直近のデータでないと判断できないというのはそのとおりだろうと思う。
しかし、判断の基準とするパラメータはあるはずだ。感染拡大の状況と、医療現場の状況と、経済の状況と、それらを複合的に判断するのが政治の仕事であるはずだから、せめてどういった数値がどうなればどう判断する、という基準を示してはもらえないかと思う。
どうもこれまでの政治的な決定は、場当たり的なものだと思えてしかたない。どういう要素をどう考慮に入れて決断しているのか、という具体的な経緯を共有してもらいたいと思う。

少し気になっているのが、受診基準に関するコロナ専門家有志の会のアドバイス内容の変更だ。
これまで、コロナ専門家有志の会は、「#4日間はうちで」という標語を掲げて「持病がない64歳以下の方は、風邪の症状や37.5℃以上の発熱でも4日間はご自宅で、回復を待つようにしてください」とアドバイスしてきた*1
しかし、ここのところ、自宅で様子を見ているうちに症状が悪化して不幸な転帰を辿る方が増加しているとの報道を受けてか、#4日間はうちで という標語は削除され、受診基準に関するアドバイス内容が更新された*2

もちろん、この感染症に関する知見は日々更新されているのだから、専門家のアドバイスが日々変わっていくことについて何ら疑問も疑念もない。しかし、この感染症の危険性がまだよくわかっていないときにもかかわらず「#4日間はうちで」と、受診抑制にかなり強く働く標語を、わざわざ断定的に掲げたコミュニケーションを行ってしまったことは、やはりあまりよくなかったのではないかと思う。
実際、3月22日に厚生労働省から全国の自治体向けに出された補足説明の内容が、人々に届いていない可能性をふまえ、わかりやすく整理しなおした、というのが今回の更新の目的と標榜されている。それならばなぜ、4月8日時点で公表された「#4日間はうちで」を、このタイミングで削除したのか、なんらかの誠実な説明があってほしいと願う。

<個人的なできごと>
雷雨がすごい一日だった。

終業後はあつまれどうぶつの森。ついに島の評価が3となったので、とたけけ氏を招致することが可能となった。めでたい。
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翌日が休日なので、夕ご飯は自宅でたこやきパーティー。タコなしチーズ入りたこ焼きとか、いろいろ自由なのがうちのたこパである。
ソースだけだと飽きるので、つけ汁用の出汁なども用意する。おなかぱんちくりん。

クローズアップ現代(新型コロナ どう増やす?PCR検査)と、それに続いてプロフェッショナル仕事の流儀(緊急企画!危機と闘うプロたち)を見た。

クロ現はずいぶん踏み込んだ内容で、厚労省の方が「(検査を)基本的には絞ってきたというところはあった」とはっきり認めていたのが印象的だった。
COVID-19の国内感染拡大初期には、PCR陽性だろうが陰性だろうが、症状がはっきりしていれば処置は変わらないのだから、むやみと検査を求めるな、という主張が、特にTwitter等では主流だったと記憶している。しかし今では、はっきりした症状(高熱や呼吸困難)が出ていても、陽性か陰性かわからないうちは病院で受け入れられず、適切な処置を受けられないという状況が生じているようだ。これはなかなか大変なことではないか。

プロフェッショナル仕事の流儀は、先週に続いておもしろかった。
初めて心から音楽をやりたいと思った、といった趣旨の音楽家の方の発言に胸を打たれた。
こういう状況下だからこそどうしてもやりたい、やらずにはいられないことが、本当の自分の仕事なのかもしれない。私の場合、それはこうやって書くことである。

4月29日(水) 緊急事態宣言延長が固まってきた昭和の日

<主なできごと>
東京都、新たに47人の感染確認
東京 29日の新たな感染確認者は47人 新型コロナウイルス | NHKニュース

緊急事態宣言、延長の方向
緊急事態宣言、延長へ 全都道府県一律も 政府、5月5日までに最終判断(時事通信) - Yahoo!ニュース

フランス、5月11日から段階的に行動制限解除へ
フランス 外出制限解除へ 学校再開も 「ウイルスと共に生きる」


<感想>
十分予想はしていたことではあったが、やはり一ヶ月程度、全国を対象とした緊急事態宣言が延長される見通しのようである。
子供の学習の保証対策が待った無しの状況になってきた。

<個人的なできごと>
休日なので、あつ森とゼルダ三昧。あつ森はとたけけライブ開催して工事ライセンスゲット。ゼルダはルッタ解放。

NHK『おかあさんといっしょ』の歴代おにいさんおねえさんたちと中西圭三さんによる、リモートコラボのぼよよん行進曲を聞いて涙した。

お昼は近所のレストランの超おいしいテイクアウト
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夜は簡単に、たけのこごはんとお味噌汁。

寝る前読書として、『芥川賞候補傑作選 戦前・戦中編』を読み始めた。

昔の文学青年の気持ちをリアルタイムで味わっているような感覚が得られる。

4月30日(木) 子供たちの学業保証の議論が少しずつ具体化し始める

<主なできごと>
東京都、新たに46人の感染確認
都内46人感染確認 3人が死亡|NHK 首都圏のニュース

文科省、小1、小6、中3の登校を先行させる案を提示
文科省で小1・小6・中3の登校を先行させる案 選択肢として示す方針 - ライブドアニュース

レムデシビルに関する評価分かれる
レムデシビル 米機関は“回復早める” 英医学雑誌“効果なし” | NHKニュース
Remdesivir in adults with severe COVID-19: a randomised, double-blind, placebo-controlled, multicentre trial

<感想>
とにかく小1のケアは一刻を争うものだと思うから、文科省が提示した「小1、小6、中3の登校を先行させる」という選択肢は、それほど悪くないのではないか。登校再開を段階的に行うことで、感染拡大の原因となる密閉、密集、密接の「3密」を避けるという狙いも、それほど不合理なものとも思えない。
とにかく既成概念にとらわれず、いろいろなアイデアを出さなければならない状況で、文科省の方々も、そして現場の先生方も知恵を絞っていらっしゃるのだろう。

<個人的なできごと>
この日は、スピノサウルス水生説を補強する論文が出て話題となった。
Tail-propelled aquatic locomotion in a theropod dinosaur | Nature

大人気のスピノサウルスが水生となると、これはまた妄想がはかどりますね。

5月1日(金) 東京の新規感染確認数が急増

<主なできごと>
東京都、新たに165人の感染確認
東京 新たに165人感染確認 6人死亡 新型コロナウイルス | NHKニュース

PCR検査、医師が保健所に依頼しても断られるケース多数
PCR検査 保健所、依頼の4割拒否 医師「患者選別しないで」 | 河北新報オンラインニュース

9月入学の議論、本格化
9月入学、具体化作業入り 来秋想定、6月にも方向性 政府(時事通信) - Yahoo!ニュース

専門家会議の状況分析・提言が公開
「長丁場前提に新しい生活様式を」専門家会議提言 NHK特設サイト
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000624048.pdf


<感想>
しばらく落ち着いていたかのように見えた東京の新規感染確認数が急増した。
大きなクラスターも見つかったようなので、やはり新規感染数はクラスター発見の有無に依存するところが大きいようだ。
保健所の態勢ももう限界を超えているようなのは明らかで、今でもまだギリギリ綱渡りの状況であることは(特に東京では)間違いなさそうだ。

9月入学・開始の議論が本格化する気配を見せてきた。
今年9月というのは無理だと思うし、このCOVID-19下の状況を「奇貨として」一気に制度変更を、といった前のめりなやり方には明確に反対だが、それはそれとして、今年度の学習を保証するのに、これまでどおり来年3月修了で大丈夫だとはちょっと思えない。どうしたものだろうか。

専門家会議の状況分析・提言が公表された。
「新しい生活様式」というキーワードが目新しい。

数日前にフランスが「ウイルスと共に生きる」という言葉を使って外出制限解除方針を発表したので、今回の専門家会議提言の中の「今後とも一定期間は、この新たなウイルスとともに社会で生きていかなければならないことが見込まれる」という文言も、そちらの方向に誤解されてしまいそうではある。
ちゃんと全文読めば、一定期間=新たな感染者数が一定水準まで低くなるまで、とわかるし、専門家会議が集団免疫戦略を支持していないこともわかる。しかし、別の主張のために使われたものと同じ表現が使われていると、それだけで、主張も同じだと誤解されやすいという懸念がある。

<個人的なできごと>
連休前なのでとにかく仕事が忙しかった。
この前の日の夜はプレッシャーでほとんど眠れなかったくらいである。

朝ドラ『エール』の最後のシーンに志村けんさんが登場して、不意打ちをくらって泣きそうになっていたら、直後の『あさイチ』で近江アナが涙ぐんでいらして涙腺が決壊した。

子供の学校は5月31日まで休校延長。
学習はオンラインで快適だけど、とにかく友達や先輩に会いたいと子供は言っている。

5月2日(土) 東京の新規感染確認数は減らず、連休突入

<主なできごと>
東京都、新たに160人の感染確認
東京 新たに160人の感染確認 15人死亡 新型コロナウイルス | NHKニュース

<感想>
東京の新規感染確認数は減らず。なかなか厳しい。

<個人的なできごと>
ゆっくり起きて、どうぶつの森のメーデーイベントなど。
迷路を解いていたら、ベルひきかえけん(金券のようなもの)の山を目前にして、石を叩き割るためのパワー(果物を食べると得られる)を切らしてしまった。痛恨。
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子供と将棋したりして遊んでいたら、鮮魚がどーんと届いたので、夜はおさかなパーティー。
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5月3日(日) 連休2日目

<主なできごと>
東京都、新たに91人の感染確認
東京都 新たに91人の感染確認 4人死亡 新型コロナウイルス | NHKニュース

専門家会議、行動制限緩和に一定の指針提案
「専門家提言“一定のこと認めていいのでは”」西村経済再生相 | NHKニュース

<感想>
地域や場所によって行動制限の緩和を行うことについて、専門家会議から一定の指針が提案されたようである。
唾を交換するような対面での会話や食事等、特に危険性の高い行動が避けられるようであれば、行動制限が緩和されることはとても歓迎できる。
特に今は公園や遊具の封鎖も広がっているようで、子供たちの心身への影響が心配だし、図書館の閉鎖による子供や学生への影響も心配だ。
なんとかうまく感染拡大抑止とのバランスを取る方法が見つかるといいと思う。

<個人的なできごと>
ゼルダはメドー解放。2度目なのでサクッと。相変わらずリーバルいい声。

夜は大河ドラマ『麒麟がくる』に続いて、ドラマ版『レ・ミゼラブル』を見た。