連休が明けたら、急に寒くなった。
台風は直撃を免れたものの、しとしとと雨が降り続いた一週間だった。
土曜の今日は晴れるかと期待していたが、細かい雨が一日降り続いた。
ざあざあ降りではなかったので、カメラを持って、千駄ヶ谷付近をぶらぶら散歩。持っててよかった防塵防滴カメラ&レンズ。

鳩森八幡神社。

芍薬……とまちがえたムクゲが見頃。花の中にイチモンジセセリが雨宿りしていた。
ほたほた歩いて、千駄ヶ谷門から新宿御苑に。

わぁ、誰もいない。疎!

人影のない林の中に、明るい雨が降り注いでいる。
明るい雨といえば、宮沢賢治の『春と修羅』の中でよく降っている。
たとえば「小岩井農場」
ひとりのむすめがきれいにわらつて起きあがる
みんなはあかるい雨の中ですうすうねむる
これら実在の現象のなかから
あたらしくまつすぐに起て
明るい雨がこんなにたのしくそそぐのに
おなじく「第四梯形」
青い抱擁衝動や
明るい雨の中のみたされない唇が
きれいにそらに溶けてゆく
日本の九月の気圏です
『春と修羅』からほぼ百年後の東京でも、九月の明るい雨を浴びていると、わくわくと物哀しい気分になる。

それにしても人がいない。
いても、お行儀よく歩道を歩いていて、芝生の中に入る人はいない。

この広い原っぱをひとりじめだーい(スニーカーはじっとり濡れる)(だからみんなこっち来ないのかと気づいてももう遅い)。

整形式庭園では、秋のバラが咲き始めていた。これはオリンピック・ファイヤー。

ゾンマービント。

一斉に同じ方向を向いている彼岸花の群れも。

玉藻池まで来た。

渡りましょう。てくてく。

雨の中で寝ている鳥を眺めているうちに眠くなったので、ぼちぼち家路につきましたとさ。