K塾でのお仕事開始。
今年度のテキストを集中的に読み、頭を受験指導用に戻す。
・・・ああ、なーんかもう、飽きちゃったなあ。
と、目次を見渡して思った。
もうちょっと、なんかこう、エキサイティングな教科書やカリキュラムっていうのは、つくれないもんだろうか。
毎年毎年、同じような内容で、しかもどんどん減らされて。
教える方もいいかげん、飽きてくる。
発生の項で、「ゲノムとは何か」という設問があった。
気を遣ってるのねえ、というのはわかるが、それにしたってなあ。
教える方に芸があれば、いくらでもおもしろい話はできるとは思うが、枠組みが決まっている以上、制約は免れない。
学ぶ生徒はそれが初めてだから、というのはいいわけにならない。
どんなことだって、経験をもとに、改良を加えていくものだろう。
なんで、教科書だけが進歩しないのだ?
項目の内容、順番、etc. etc...
教える側がどれだけ工夫したって、教育課程と教科書がかわらないんじゃ、どうしたって無理が出る。
ため息が出てしまうが、生徒にそんな顔を見せるわけにもいかない。
さっそく、理系から文転したというおもしろい男の子がやってきた。
勉強法などについて聞いていったが、話したあと、大きく安堵の息をついたのがおもしろかった。
「なに、そんなにほっとしたの?」
「ハイ。だってもう、どうしていいかわかんなかったっスもん。
めちゃめちゃ安心しましたよ」
生徒を不安にさせてどうするよ、オトナたち。親も、教師も。
なんの仕事してるのさ。
ま、おたがい気を抜かずにあと一年、がんばっていこうぜ、サトウくん。