白衣の役割

朝から、とてもさわやかな天気だ。
教室でじっとしていられない小学生のように、ふらふらと生協方面へ出歩いてきた。

私よりは、もうちょっとちゃんとした目的意識をもっているのだろうが、
白衣をはおって構内を歩いている人が、今日はなぜか多かった。

白衣・・・さまざまな思惑の渦巻くユニフォーム。
その役割としては、次のようなものが考えられる。

その1・清潔であるべき外部環境に、自分の汚れをもちこまない
その2・外部の汚れや危険物から、自分および自分の衣服を保護する

その1は白衣が清潔であることを前提としている。医療関係の白衣は主にこの目的だろう。

しかし、その2は違う。
薬品のシミがつこうが、ネズミのふんがつこうが、1ヶ月洗わなかろうが、
自分の服さえ守られれば、白衣の目的は達せられる。
理学部関係の白衣は、まちがいなくこっちだ。
「白」衣という名前が詐欺に思えるようなシロモノを着ている人もよくいる。

ちなみに、われらが生物学科はアバウトなので、ふだん白衣で実験をしている人はあまりいない。
いかにも汚れそうな作業をするときや、RIなどの危険物を扱うときのみ着る、という感じ。
(なぜか、植物のおねいさん方の間では、エプロンをつけるのが流行っているが、
 これは女の子らしくて、ちょっといいな、と思う)

ところで白衣には、あまり好ましくない第3の役割がある。
「みずからの権威をアピールする」
というものだ。

とある個人指導塾では、学生アルバイトには全員、白衣を着せる。
教える教科に関わらず、である。
つまり、「学生サン」が、年の近い生徒たちにナメられないように、
白衣の権威で威圧しようとしているわけだ。

白衣は「特別で、エラそうに見える」のだ。

だから、白衣でコンビニに行ったりしている人たちを見ると、どうもお尻のあたりがこそばゆくなる。
単に、脱ぐのがめんどくさかったり、
カーディガンがわりにむぞうさにひっかけていたりするのだとは思うのだが、
その「白衣をむぞうさに普段着にしているんだけど、そんなこと意識してないんだよーん」
という表情が、なんとも見ていて落ちつかない。

・・・ヒガミなんだけどさ。