ぶらぶら散歩

f:id:pollyanna:20200913162418j:plain

水のそばにいるのが好きなので、すぐ近くに川が流れている今の住処はわりと気に入っている。
賃貸なので、いずれまたどこかに引っ越すかもしれないが、そのときも川か海が近いところがいい。

生まれ育った場所はそこまで水のそばではなかったのだけど、母の実家が筑後川の近くで、父の実家が稲佐の浜の近くだったりしたせいか、憧れの入り混じった郷愁のようなものがあるのかもしれない。

f:id:pollyanna:20200913162221j:plain

今の家にはもう10年以上住んでいる。
PTA役員などやっていたこともあって、近所の子供たちの顔もだいたいわかっているし、夕方の買い物帰りに、お母さんお父さんたちと立ち話もする。
うちの子がしばらく不審者に悩まされたときには、お巡りさんや刑事さん、そして近くのお店の方々にお世話になった。
地域に根を下ろして生きるというのはこういう感じなのだろうか、と思ったりもする。

f:id:pollyanna:20200913162032j:plain

にもかかわらず、これから先の10年、20年、そして50年、ここに住み続ける未来はあまり見えてこない。

空前絶後の就職氷河期の中、なんとか就職して資格を取って、子供を育てつつ、どうにかこうにか働かせてもらっている。
傍目には安定しているように見えるかもしれないが、自己肯定感がさほど高くないので、これでどなたかの、社会のお役に立てているのか自信がない。
「ここ」にいていいのか、いるべきなのか、いたいのか。いい年をしてよくわかっていないところがある。

「こまったひとね、ローラ! いったいどうして……」かあさんがいいおわらないうちに、とうさんが口をはさみました。
「とうさんにはわかってるよ、ローラ」とうさんは、やさしくいたわるようにいってくれました。「おまえととうさんは、渡り鳥みたいに飛んでいきたいんだよ、ね。」

『シルバー・レイクの岸辺で』ローラ・インガルス・ワイルダー 作 恩地 三保子 訳

f:id:pollyanna:20200913162153j:plain

じりじりしている間に、今年も秋が来る。