本屋さんで見つけた! 幻じゃなかった。夢だけど夢じゃなかった。 https://t.co/VzOx3siiBn
— ぱれあな (@pollyanna_y) 2019年11月20日
このツイートで「見つけた!」と小躍りしていた本が、タイトルにも示した本
『書けるひとになる! 魂の文章術』(ナタリー・ゴールドバーグ=著 小谷啓子=訳)
である。
おそらく、タイムラインでどなたかが紹介してくださったcakesのシリーズ
cakes.mu
が印象に残っていたものの、あやふやな記憶で、"書ける『人』になる" とか "『書く人』になる" とかのキーワードで検索していたため、うまく見つけることができなかったのだろう。
無事に書店で見つけ、読みはじめてみたら素晴らしい本だった。
1986年に出版されて以来のロングセラーとのことだから、既に読んでいる人もたくさんいるだろう。
でも、私がこの本と出会ったのは、今回復刊されたものが初めてである。
正直に言うと、最初は日本版の書名が気に入らなかった。
書くことが好きで、どちらかというとそれで食べていると自負しているのに、初心者向け文章術の本みたいなものを読むのは恥ずかしい、というくだらない見栄もあった。
(だから、何の本を買ったのかをツイートしなかったのである。こんな見栄のほうがよほど恥ずかしい)
でも、これは「書きたい」思いのある人であれば、アマチュアであろうとプロであろうと、どんな人をも勇気づけるだろうと思える本だった。
文章の書き方を一言一句指南してくれるようなものではない。
カッコいい表現や構成を教えてくれるわけでもない。
ただひたすら、書こうとして止まってしまった読者の手に手を添えて、そっと動かしてくれるような、こまやかで生き生きしたエッセイが続く。
私は脚本の勉強もしているから、上達するために必要なのは何よりも、呼吸をするように書き続けることだと知っている。
知っているが、それができれば苦労はしない。
もうダメかも、とリタイアしそうになった背中をやさしく抱きしめて、次の一歩に向けて押し出してくれるような本だ。
あまりに素敵な本だから、これを紹介することで物書きのライバルを利することになってしまってはシャクだな……というみみっちい思いが、ちょっと頭をよぎったことを告白しておく。
でも、やっぱり感動したことは書かずにいられなかった。
書くときには一切の手綱をゆるめ、自分の中にあるものを、ごくシンプルな言葉で書きはじめるようにしよう。なめらかな走り出しは期待できない。ぶきっちょな自分を大目に見てやろう。あなたは裸になり、人生をさらけ出しているのだから。
そうしよう、と思ったのだ。