『HUGっと! プリキュア』完走の感想

 1年間、子供と一緒に楽しく見ていた『HUGっと! プリキュア』が、今日で終わってしまった。
 冷静に考えるとずいぶんカオスな展開だったと思うけど、そんなことはどうでもよくて、ひたすら現在と未来が愛しくなる素敵な最終回だった。

 プリキュアシリーズの中で一番好きなのは『ハートキャッチプリキュア!』だが、それと同じくらい好きな作品になった。好きなものが増えると、毎日があたたかくなって嬉しい。

 この作品は、多様性への配慮を明確に打ち出していたことが画期的だと賞賛もされ、ポリコレうざいとけなされもして、さまざまな話題を巻き起こしていた。
 それでも私は、「なんでもできる。なんでもなれる。輝く未来を抱きしめて」(女の子もヒーローになれるし、男の子もお姫さまになれるし、なんなら誰でもプリキュアにだってなれるのだから、何より自分の心を大切にして生きていこう)というメッセージを力強く、繰り返し打ち出してくれていたことが嬉しかった。

 いつか子供が大人になって、この作品を思い出して勇気づけられる日が来るかもしれないが、たぶんそれより前に、私が何度でも思い返すだろうシーンがいくつもある。

 たとえば、はなが、いじめからかばった(そしてそのために自分がいじめられることになった)友達・エリと仲直りするシーン。
 好きだったエリちゃんとは直接ぶつかって仲直りするけれど、いじめの張本人たちに対しては、営業スマイルでさらっといなすだけ、という対応がとてもよかった。そう。誰とでも仲良くしなければいけない、なんてことはないのだ。
 
 それから、ギターが大好きだという気持ちを押し込めていたえみるの心が、アンドロイドのルールーとの友情によって解放されていったシーン。
 えみるとルールーのコンビが本当に愛おしくて、この2人が出てくるとそれだけで幸せになる。

「ギュイーンとソウルがシャウトするのです!」

 回想だけど、いじめられていたはなを、はなのお母さんが抱きしめるシーンは、親の気持ちで涙が止まらなかった。

「大丈夫。はなは間違ってない。もう、我慢しなくていい。はなの未来は無限大!」

 最終回の舞台だった2030年に、私は、そして私の子供はどんな大人になっているだろう。
 そのころにもういちど見返したら、私たちはどんな感想を持つだろう。
 そんな楽しみがあるだけで、未来は素敵だな、と思える作品と出会えたことに感謝したい。
 1年間ありがとうございました!