スーパーヒーロータイム(日曜朝の特撮)
もはやわが家では私くらいしか見ていないスーパーヒーロータイム。
まずは『仮面ライダー鎧武』だ。
フルーツのライダーって何だよ、うわホントにオレンジかぶって変身してるよ、とドン引きしながら見始めたものの、ずいぶんとおもしろいことになってきた。
主人公ライダーには、怪人と化した友人をそれと知らずに殺していたという過去がある。そのことを後で知った主人公は、自分が戦う意味と目的について悩み苦しむ。
また、主人公の後輩である美少年ライダーが、「愛する人の笑顔を守るため」という目的のために、権力に取り憑かれて闇に落ちていっているようなのだけど、彼はいったいどこへ行ってしまうのか。
「強さとは結局、誰を守って誰を守らないかを決定できる力にすぎないのではないか」など、仮面ライダーシリーズらしいテーマを、えげつないまでにストレートに扱っているドラマだ。
現実の世界を支配しようとしているユグドラシルという大組織だけでも得体が知れないのに、さらにその世界を侵略しつつある異世界・ヘルヘイムの森の全貌もまだ見えてはいないようで、目が離せない。
物語全体を貫く「理由のない悪意」というモチーフは、感受性の強い子供たちにはトラウマものに怖いんじゃないかと思うのだけど、大人としてはこれがどう料理されていくのか、とても楽しみだ。
今年の2月から始まった『烈車戦隊トッキュウジャー』もおもしろい。
これも、マスクに線路ってなんだよ、ヒーローが変身する間は敵が白線の内側に下がるとか斬新すぎるわ、といささか引きながら見始めたものの、予想がいい方に裏切られた。
戦隊シリーズらしく、一話一話、子供たちに身近な友情にまつわるエピソードが丁寧に盛り込まれている。愉快なイマジネーションで敵を倒す爽快感もすばらしい。
しかし、主人公たちはみな過去の記憶を失ってしまっているという設定だ。そのためか、彼らが暮らすレインボーラインは夢のような列車でありながら、どこか不確かで不安な場所であるようにも見える。
また、主人公たちをサポートする車掌さんやそのパペットの猿のチケット君は、必ずしも全面的に主人公たちの味方なわけではない。彼らは時に主人公たちに冷淡だし、遠慮なく諫めたり、毒舌をぶつけたりもする。少し喉にひっかかるような設定がうまく組み入れられているため、わかりやすく口当たりがいいだけではない、リアリティのある世界観がつくられている。
悪役の造形が、前作のキョウリュウジャーにも増してよくできているし、主題歌も快活でおぼえやすく、前作同様かそれ以上に人気が出そうだな、と思って楽しみに見ている。
漫画とかアニメとか
毎週読んでいるのは、週刊少年ジャンプとモーニング(電子版のDモーニング)。
ジャンプの方は、うちの小学生も一緒に読んでいて、『ONE PIECE』『暗殺教室』『ワールドトリガー』がお気に入りの様子。
『ONE PIECE』は、先週、ついに宿敵ドフラミンゴがキュロスに倒されたかに見えた。わが家では、家族でジャンプを回し読みしつつ、読んだ順に奇声を発する、という現象が起こった。
しかし、ローとの因縁も解決しないままにあっさりドフラミンゴが退場するはずもなさそうである。また、エースの遺志を継ぐべきものとして、ルフィの幼なじみで兄貴分であるサボらしき人物が以前から出てきているものの、なかなか正式に正体が明かされないのも気になる。パンクハザード編以上に目が離せない展開となっている。そんな激動のドレスローザ編は、アニメ版で見ると、動きや色彩の魅力がプラスされてより楽しいと思った。
『暗殺教室』は、先生を暗殺するのが生徒たちのミッション、という、お行儀のいい大人たちが眉を顰めそうなテーマでありながら、その実、学ぶとはどういうことか、教育とはなにか、という骨太な問題意識を織り交ぜた正統派ビルドゥングスロマンである。と、少なくとも私は思っている。
小学校生活を一年間経験したおかげでぴんとくるようになったのか、子供が最近になってハマり出し、家にあるコミックスを最初から読み通していた。
にしても、いつか殺せんせーが殺されてしまったらどうしよう。とりあえず完全防御形態の殺せんせービーチボールがほしいです。
『ワールドトリガー』は、異世界からの侵略者と戦う少年少女たちの物語だが、世界観の大きさと、キャラクターひとりひとりの魅力が際立っていておもしろい。
ちなみに、この漫画の登場人物たちは、体内に存在するトリオンというエネルギー物質のようなものを原動力として、トリガーという武器を使って戦う。しかし、トリオンの量は人それぞれであり、もともとの力が強い者と弱い者があらかじめ決まっている。いっぽう、持ち前のトリオンの量は多くても、身体能力がいまひとつ、という者もいる。しかし、自分に適したトリガーを選び、適切なポジションで戦う訓練を受ければ、自分の弱点を克服して成長していくことができる。これも単純な能力バトルにはないおもしろさだ。
うちの子供はこの漫画が大好きで、早くアニメ化しないかと心待ちにしている。限定ぼんち揚げもしっかり食べた。
『磯部磯兵衛』は、読み切りで登場したときに、衝撃と爆笑のあまり、ツイッターで大プッシュしてしまった。連載も回を重ねた今となっては、すっかり謎の安定感を見せており、嬉しいやら腹立たしいやら、複雑な気持ちではある。
さて、モーニングは、電子版のDモーニングで読んでいる。「バガボンド」と「BILLY BAT」以外のすべての作品(たぶん)が、手持ちの電子端末(iPad等)に毎週配信されてきて、一ヶ月500円という格安のお値段。気に入った漫画のシーンを切り取って、ツイッターに投稿して感想を共有することもできる。
モーニングにはお気に入りの漫画がたくさんあるけれど、子供に見せるには早いな、と思われるものもあるので、親だけが読むのに電子版はちょうどいい。
ただし、『鬼灯の冷徹』はコミックス版を子供も読んでいる。もともと子供は水木しげるの妖怪大百科シリーズが大好きで、『鬼太郎の天国・地獄入門』を特に愛読していたためか、地獄の沙汰のあれやこれがおもしろく感じられるらしい。アニメ版も録画して全回視聴した。
さて、謎のピアニストにして産科医である鴻鳥サクラ先生が活躍する医療漫画『コウノドリ』である。
妊娠、出産にまつわるさまざまな問題を正面から取り上げるというのは、大変勇気のいる挑戦だったと思う。しかし、産む性である私が読んでも、まったく違和感や反感をおぼえない(涙は出るし、リアルすぎてつらいという回はあった)。医療関係者の方々の感想をツイッターなどで見ても、皆さん絶賛されている。
作者である鈴ノ木ユウ先生のお人柄なのだと思うが、各シリーズはまったく救いのない結末にはならない。
私はもう子供を産むことはないと思うけれど、生命と健康に関することはいつも興味の中心にある。これからも読み続けるだろうと思う。
読み切りで大ファンになった『ハルロック』がついに連載になって、とても嬉しい。
電子工作や発明が大好きな女子大生が主人公で、彼女を取り巻く個性的な人々との不思議エピソードの数々。リケジョだとかそんなチャチなもんじゃなく、もっと……こう……いわく言い難いものの片鱗を味わえる。
ほかにも語りたい漫画はたくさんあるものの、だいぶだらだらと書いてきたので、ひとまずこのへんで。