ついに5月になった。
時の流れは速い。
さて今日は、わが家を直してくれている職人さんたちを紹介しよう。
まず、棟梁はモリさんという。
縮れ毛で小太り、40代くらいの元気のいいおじさんだ。
ゆがんだ戸口にも、上手に建具をつけてくれる、腕のいい職人さん。
水周り工事が専門だが、電気関係でもなんでもできるヤマウチさんは、赤い鼻が特徴。
やせ形で背が高く、やさしい目をしている。飄々としているが、わりと口が悪い。
好きな飲み物は、ドクターペッパー。携帯の着信音は「探偵物語」。
私に壁紙をはがさせてくれたおにいさんは、ヤマシタさん。
気はやさしくて力持ち、という感じ。
まだ本が入っている本棚もどんどん動かして、壁のとりこわしなどを一人でこなす。
フリースやシャツを着こなして、なかなかおしゃれ。
ときどき、彼女らしき人から電話がかかっているのがほほえましい。
モリ棟梁の息子さんとおぼしき、メガネをかけた無口な青年もいる。
メガネ青年は一番若く、みんなのからかいの対象になっている。
あるとき青年は、壁に打ち付けてあった留め具のはずし方がわからなくて、お父さんに聞いていた。
「そんなもんマイナスドライバーでクッとやりゃあいいんだよ」
と言われて、ドライバーを取りにいっている間に、モリ父はあっさりと留め具をとってしまった。
帰ってきたメガネ青年は憮然として、
「なんで取るの~」
と文句を言う。
モリ父は
「ごめんごめん、おまえの仕事とっちまったな」
と破顔していた。息子は弱点と見える。
このほかに、ヤマウチさんとコンビで漫才をしているような小柄で頑固なおじさんや、
ヤマシタさんと組んで黙々と作業を行う若いおにいさんなどがいる。
職人さんたちの様子を見ているだけで、とても楽しいが、
今朝、ヤマウチさんの相棒さんにそれを言ったら、
「あんまりじっと見てられると、やりにくいスよ」
と笑われた。
横目で観察することにしよう。
-
-
-
-
- -
-
-
-
本日の実験
予定外の事態。さーて、どうしようか。
本日の略語
充電式ドライバーのことを、業界では「充ドラ」という。