免疫系の機能が低下しているのか、右目が腫れて痛い上に、腿の一部も腫れている。
熱っぽくてボーっとしているので、次々とドジをやらかす。
昨夜は、液体窒素の容器(高さ1メートルくらいある、でっかいカメのようなもの)の中に、
細胞の入ったチューブを数十本、ざらざらーっとばらまいてしまった。
同業者のヒトは、いかに私が青ざめたかわかるはずだ。
ご存じのように、液体窒素はおよそマイナス200度、超低温の物質である。
それが数十リットル入っている、口の狭い容器の中から落ちたもの(しかも小さい)
を拾うのは、容易ではない。
ふつうは、タワーとよばれる金属でできた細長いラックの中に小箱にわけてしまっておき、
タワーごと液体窒素につけておくのだ。
閉店間際のハンズに寄って、アウトドア用品のコーナーで、
バーベキューの炭をつかむトングを購入。
そして今朝、まだ先生もEくんも出勤してこないうちに、こっそり拾っちゃおうと目論んだのだった。
ところが、チューブの入っていた小箱は取れるのだが、
肝心のチューブがいっこうに取れない。
はさもうとして熱中していると、いつのまにか軍手をはめた手が液体窒素につかっていて、
「あちっ」ということになる。
汗をかいて奮闘していたら、まずEくんが、そしてついに、先生が来てしまった。
予想はつくけど事実であってほしくない、という顔で先生が聞く。
「何が起こったのですか?」
もうごまかしはきかない。
「・・・ごめんなさい。落としました」
結局、大量の発泡スチロール容器を用意し、その中に液体窒素をすべてあけ、
チューブをがらがらと取り出す、というたいへんな作業になった。
取り出したチューブは、いちいちラベルをたしかめながら、小箱にわける。
作業はすべて、低温に冷やした状態でやらなくてはいけない。
(温度が上がると、細胞のためによくない)
しばらくして、なんとか救済は終了。
先生、Eくん、ありがとうございました。
右手の指は、軽いやけどでヒリヒリする。自業自得を絵に描いたようだ。
実験は、意識をしっかり保って行おう
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本日の細胞
起こした細胞は、元気に育っている。よかった~。
やはり、前の培地はpHが低すぎたようだ。