2号館の地下階段下には、隠された小部屋がある。
そこには、おそらく2号館始まって以来と思われる遺物が、大量に詰め込まれている。
内容は、ほとんどが実験の廃液、そして用途不明のガラス器具、腐りかけた段ボール箱、などなど。
今回、その小部屋に電灯を取りつける工事のため(驚くなかれ、今までは電気すらなかった)、そこを片づけることになった。
学生アルバイトとして、他の研究室の院生とともに手伝いに駆り出される。
(注・なんとも民主的な欠席裁判にて決定)
とにかく、押しこめられているものを出さなければ、というわけで、懐中電灯とともに小部屋に踏みこんだ。
・・・塩素の臭いが鼻をつく。
「こりゃ体に悪いなあ」とN先生。
「カナリヤが必要ですね」と申し上げると、「しょうがねえ、俺がカナリヤになるよ」。
なんだか悲壮なことになってきた。
かたっぱしから廃液タンクを出していくうちに、ぴちゃり、とイヤな感触が足に。
懐中電灯で照らしてみると、得体のしれない液体が漏れている。しかも、付近のマンホールの蓋は腐食している。
なんなんだよぉ、と、みんなで悲鳴をあげつつ、必死の作業。
しめった木屑とも、腐った段ボールともつかぬものが、コンクリートの床にへばりついている。
シライくんとスコップでほじくりかえしているうちに、モロモロになったコンクリまで掘り返されてきた。
・・・なんなのよ~!いったい。
人の形をしたシミなど出てこないうちに、適当なところで切り上げることに。
予定を大幅にオーバーして、午後4時近くまで廃液の分類などにかかる。
スタッフのみなさまの、ふだんの苦労がよくわかった。
今日出てきた廃液、試薬などの内訳は・・・あんまりなので公表を差し控える。
Iさん、Eくん、Sくん、おつかれさまでした。
みなさま、今後のためにも、廃棄物・廃液の処理はきちんとしましょう。