破壊活動

わが内分泌学研究室では、現在、大改造計画が進行中である。
その一貫として、「個人用実験スペースの創出」がある。

各研究室の方針によって、実験スペースの取り方はいろいろだ。
ひとりにひとつ、実験机が用意されて、そこに自分専用の試薬・器具などを置き、実験する、というもの。これが多くの研究室のスタイルだろう。

わが研究室では、それとは異なり、DNAを扱う机やRNAを扱う机など、
目的別に机が用意され、実験者がそれら机を移動する、というスタイルを取っていた。
試薬・器具などは共通である。

しかし、今回、諸般の事情から、個人用実験スペースがつくられることになった。
それにあたり、机の配置をかえたり、棚をかえたり、と、大工事が行われている。

今日は、今までRNA専用だった部屋の棚を撤去し、新しくアングルを組む、という作業が行われた。

ものを壊すのは愉しい。

ひとつひとつネジをはずし、ゆさゆさと棚をゆさぶる。
釘が浮く。
釘抜きをてこにして、さらに棚を持ち上げる。
・・・ばきっ!
少々板が割れてもよし。せーの、で棚をひっぱる。
「取れたぁ!」

右手にノコギリ、左手にドライバーを持って喜んでいたら、
4年生のKさんが
「Yukkoさん、目がとっても輝いてます」

そう、破壊活動は愉しい。

もちろん、その後に新しいなにかを生み出すからなのだが。

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本日の細胞:

遺伝子を入れたCHO細胞、かなり強い薬剤を与えているが、きっちり育っている。
美しいコロニーをつくって増えている。
わんぱくでもいい。のびのび育ってほしい。

COS1細胞、どうも3日ごとに植え継ぐと、ディッシュの底にはりついてよくない。
細胞をはがす酵素、トリプシンがへたっているのかしら。
そんなわけはない、CHO細胞ははがれるのだから。


本日のセミナー

Zoological Conferenceというセミナーがある。
いちおう、大学院の授業であるが、ポスドク、スタッフの方々もときどき聴きに来る。
動物学の五研究室がまわりもちで、外部から講師の先生をお招きし、
セミナーをしていただく、という内容だ。

今日は、セキツイ動物の「孵化」のしくみについてのお話だった。
魚・両生類・鳥類までの広いレンジでの話で、とても「動物学」らしく、おもしろかった。

放射線生物学研究室のN助手さんが、髪を茶色に染めていたのが、ちょっとびっくり。