マイシスター・イン・ディス・ハウス

高校時代の友人・山谷典子嬢が出演している、文学座のお芝居、「マイシスター・イン・ディス・ハウス」を観に行った。

舞台は1930年代のフランス、ル・マン市。
クリスティーヌ、レアの姉妹の女中が、ダンザール夫人とその娘イザベルの住む家にいっしょに奉公するところから話は始まる。

女性4人だけの珍しいお芝居だ。

レアは姉のクリスティーヌを慕い、クリスティーヌはレアを慈しむ。
二人の母親は、姉妹を女中奉公させることで金を得ているため、二人に自由はない。

はじめ、姉妹はダンザール夫人親娘に信頼され、大切に扱われている。
姉妹にとっても、とても居心地よく、満足できる環境だった。

しかし、四人の女性だけの孤独な生活が続くにつれ、小さなことから生まれる猜疑心、嫉妬、恐怖。
女性たちの人間関係が少しずつ追いつめられていく。

母親に愛される純真なレアへの、クリスティーヌの愛憎。
なんでもできるクリスティーヌにすがる、不器用なレアの思い。
日曜ごとに出かける女中姉妹に対する、女主人の猜疑心。
女主人の娘イザベルがレアに抱く気まぐれな愛情と、それを見るクリスティーヌの心。
・・・

「どうしようもない思い」が積み重なって起こった悲劇的結末は、こうなるしかなかったのだろう、というものだった。

必然、というのは、どうしようもない、と言い換えると、とてもやるせなく、
つらいことだと思った。

山谷嬢はレア役である。
まさか、修学旅行以来の彼女のヌードを、舞台で見ることになるとは思わなかったけど、実にはまり役だった。

詳しく知りたい方は、彼女のホームページへどうぞ。

クリスティーヌがレアに唄う子守歌が、ずっと耳に残っている。