係の思い出

自治委員で思い出したが、小・中・高といろんな「係」があった。

小学校のころは、図書委員などの委員会活動のほかに、クラス内あるいは班内で、こまごまと「係」があって、どれをやるか競争になったりした。

私の母校・板橋区立前野小学校では、「テレビ係」なるものがあった。
・・・テレビ係。
それは、教育テレビを見るときに、テレビをつけたり、消したりする係である。
よく考えたら、そんなもの先生がやればいいのに、そして、ふだんみんな家でさんざんテレビやビデオをいじっていただろうに、AV機器をあつかう係、というのは、どこかかっこよく見えて、意外に人気の係だった(楽だ、という要素も無視しがたい)。

私がやっていた係でおぼえているのは「学習係」である。
べつに、みんなを代表して試験対策をしたり、というような高級な仕事はしない。
図工や家庭科、音楽といった、事前にもちものの準備が必要な授業の前に、専科の先生を訪ねて、「今度の6の3では何が必要ですか」と聞くだけ。
そして、クラスのみんなに伝えるのである。

なぜ、その係のことを鮮明におぼえているか。
それは、当時好きだった男の子(のひとり)であるアベくんとふたりでやっていたからだ。

ちょっとクールなアベくんは、1年生のときからの片思いの相手だ。
スポーツもお勉強もよくできて、切れ長の目が、今思っても実にかっこよかった。

そのアベくんと、念願かなって「ふたり一組」で係をやれるのだ。
12才の私は舞い上がった。
先生を訪ねに行くときも「ふたり」。
公務であるから、堂々とふたりで廊下を歩けるこの喜び!

おとなになると、そういう都合のいい「係」がないからつまらない。

元気だろうか、アベくん。