週明けから泣き

以前、所属していた研究室から、当時の上司、S氏がみえる。
開口一番、
「私はひじょーに、機嫌が悪い」
あわてて椅子をお出しし、ほこりなど払う。
正座はちょっと無理なので、とりあえず座り直してみる。
さて、おそるおそるS氏の顔を見上げると、
やおら、懐から一枚の紙を取り出し、彼は読み上げた。
「I am sorry to inform you....」

先は読めた。
卒業研究の内容を、ある雑誌に投稿していたのだが、載せられない、と突き返されたのだ。

ちきしょー、と言いながら、レフェリー(論文の内容を審査する人)のコメントを読む。

ひとりめ(白星判定):
「This is a clearly written and experimentally sound paper.」
(「とっても明晰に書けていて、実験もしっかりしたよい論文である」)

どうしてこういうふうにみんな書けないのだ?
と、ぶつくさ言いながら読み進む師弟。

ふたりめ(黒星判定):
「It's interesting, but I am frustrated by some aspects of the study.」
(「おもしろい研究だが、私はいくつかの面で失望した」)

frustrated!
口の利きかたを知らねーのか、こいつは。
と、だんだん口の悪くなる師弟。

で、本来ならば、三人目のレフェリーがいるはずなのだが、
そいつはいっこうにコメントをよこさないらしい。
で、雑誌側はしびれをきらして、1対1で「No」の判定を下したというわけ。
あーあ。でもまたがんばるぞ!