納豆続編

昨日、お散歩ついでにスーパーに寄ったら、納豆が山積みになっていた。

掌を返すようとはこのこと。ひどいなあ。

在庫を抱えた小売店も、メーカーさんも悲鳴をあげているとのニュースも。


この問題に、なぜこれほど肩入れするかというと、私が関わる業界でも、以前「○○ダイエット」情報で、とある商品が品薄になって大変だったことがあるから。また、逆のケースで「△△は体に良くない」という風評被害ももちろんあった。

うちの会社は、注意深く動向を見守って、お客さまには正確な情報をお出しして、なんとか事態が過熱しないように努力して乗り切ったけど、これはある程度大きなメーカーでないと無理。

小規模なメーカーでは、需要があったら問答無用で供給しなければやっていけない。将来の在庫など考えずに増産するしかないだろう。


おそらく今回も、消費者は大した痛痒を感じていないだろう。数日納豆を食べ続けたからといって、飢えたわけでも病気になったわけでもない。

「マスコミ信じられな~い! 叩かれていい気味」くらいな反応で、おそらく、しばらくしたらまた、違う健康食品に殺到するんじゃないかなあ。

きっと彼らは、ある程度「だまされたと思って」ブームに乗っているのではないか。「うまくいったらもうけもの。ちょっと健康になった自分という夢を買う」といった、宝くじ感覚のような気がする。

同じようなノリで、オカルトや疑似科学も信じちゃうのかな(関連エントリ)。


前回のエントリのコメントで、消費者の「信じたい」気持ちには何者も勝てないといった内容を書いたが、その「信じたい」は、多くの場合、命を賭けるほど深刻なものではなく、手軽に、気楽に「ほんの少し現状を変えたい」というゲームなのかもしれない。

その、軽い「暇つぶし」気分に、メーカーやマスコミが振り回されて痛手を被った様子を見ると、古代ローマ人が劇場で公開処刑を楽しんだような残酷さを感じてしまう。

もちろん、消費者に迎合して汚く金儲けしようとしたり、情報操作したりしちゃいけないのは当然なんだけど。


なんというか、いろいろとやるせない事件ではある。


そして、これから私は、会社での研究の方向性をしっかりと考え直していかなくては。




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