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特許と科学

知財

5号館のつぶやきの「オカルト特許申請

アマチュアサイエンティスト「進ぬ!○トン発明家」「トンデモ発明考」あたりの話題について


時間がないので、とりいそぎメモで。


OKだと思うこと

《出願する権利》

どんな内容についても、法定の方式さえ満たすのであれば、出願したら平等に受理されるべきだと私は考えます。


《公開》

特許法で、特許庁長官は特許出願の日から一年六月を経過したらその出願は公開しなければならない、と規定されています。

すべての出願について、審査され、査定されるのを待ってから公開するのでは、公開までに時間がかかりすぎ、産業の発達のためにはデメリットの方が大きいでしょう。

公開する段階では、実体審査の必要はないと思います。


NGだと思うこと

《「特許出願中」表記の権威づけ》

「特許出願」は誰にでもできるものであり、その内容の価値を問わないものである、ということを周知徹底する必要があると思います。

本来、「特許出願中」表記は、同業のライバルに、「この発明は、ウチはもう特許出願したよ」と警告する意味の表記のはず。

しかし、「特許出願=特許された優れた発明」と勘違いしがちな一般消費者の誤解を利用して、本来持っている意味以上の権威づけ、ビジネス上の利益をねらって、「特許出願中」の表記が用いられるのは、どう考えてもおかしいと思います。


この問題は既にあちこちで議論になっていると思いますが、早急に対応すべきだと思います。


難しいけどどうなんだろうと思うこと

《「科学的に証明されていない発明」に特許権を与えるか》

「産業上利用することのできる発明」かどうかを審査する過程で、ある程度、科学的な判断はなされているとも考えられます。

具体的には、自然法則に反するもの、自然法則を利用していないものは、そもそも発明に該当しないと判断されます。

また、「発明の課題を解決するための手段は示されているものの、その手段によっては、課題を解決することが明らかに不可能なもの」であるかどうかの審査、そして「理論的にはその発明を実施することは可能であっても、その実施が実際上考えられない」かどうかの審査も行われることになっています(審査基準第II部第1章参照)


ただ、実際にこれらの判断をするのは難しいので、明細書・特許請求の範囲の記載要件(発明が不明確、当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載していない等)で拒絶理由を打たれることが多くなるんじゃないかな?と想像しています。

それにしても、やはりある程度、科学的な判断は必要とされるような気がします。


ここで、「じゃあ、審査基準さえクリアすれば、アヤシイ発明にも特許権を与えていいのかよ?」ということになると、うーむ、と悩んでしまう。

実際、もしニセ科学的発明に特許権が与えられ、それが市場に出回れば、優良な他の同業者の売り上げを圧迫し、最終的には消費者が不利益を被ることはまちがいない。

「産業の発達に寄与する」という特許法の法目的に反するのではないか? と言われたら、それはやっぱりそのとおり。


だから、何らかの使用法や使用目的を限定した発明の場合、最低限「発明の効果」はきちんと検証すべきなのかな、と私は考えます。

その目的で、その発明を実施したときに、確実に(または一定の確率で)効果が得られるということ。

それさえ保証されれば、作用機序等の証明は必要ないと思うのです。


実際の審査実務もそうなっているんじゃないかなあ。違うかなあ。