桜が咲き始めていると思ったら、遅咲きの紅梅であると同僚のお二人に指摘された。これは「かなしいとき~」なのか「残念!」なのか。梅の木に言わせると「どこ見てんのよ~」かも。
無粋な動物学者が夜に遠くから拝見したので・・・などと言い訳しておきますです。
ほかの桜の木をチェックしたところ、まだまだな様子。
今日も暖かい。目がかゆい。くさめくさめ。
昨日は雨だったが、それでも症状は出た。油断してマスクなしで出勤したのが敗因。
Agarase処理成功。フェノール・フェノクロ・クロロホルムと手抜きせずに処理ステップをかませたにも関わらず、ロスなくきれいにDNAがとれた。
DNAを長さにしたがって分離するのには、アガロース(寒天)を固めたゲルを使う。分離した後のDNAを回収することもままある。
今回は、回収するDNAがとても長い(その上少ない)ので、ゲルを酵素で分解し、そこからDNAを抽出するということをしたのだ。
とっても基本的な操作であるが、実は酵素を使う方法は初めてである。
物心ついてからというもの、ゲルからのDNA回収にはキットを使ったことしかない。キットなんて、学研の付録を高級にしたようなものであるから、小学生でも使うことができる。先輩方からすれば、さぞや甘ちゃんの若造に見えることだろう。実際そうなんだけど。
寒天を分解する酵素の説明書を見ると、15分で消化完了と書いてある。おお、これはスピーディーと思ったが、とんでもない量の酵素を使わなくてはいけない。
酵素は高い(「動物のお医者さん」-佐々木倫子-をご参照ください)。
酵素の量を減らす代わりに、反応時間を長くして、なんとかならないものだろうかと詳しい説明書を取り寄せたら、ちゃんとその方法が書いてあった。世の中、予算の潤沢な研究室ばかりではないことがわかってうれしい(うちのラボはかなり潤沢な方だと思うけど)。反応温度をちょっと下げるのがよいらしい。
というわけで、酵素の量は10分の1、反応温度を至適温度から5度下げて一晩。これで手を打つ。
ゲルによる分離も20時間かかっていることを思うと、つくづくDNAって丈夫である。
ところで、酵素入りの洗濯用洗剤というものがある。あれって、どれくらいの酵素が入っていて、どれくらい活性を保っているものなんだろう。