ビビリーマン

今週の「SPA!」の特集、『ボクらの「ビビリ体質」なんとかなりませんか?』が気になって購入。

女子ばかりの中高一貫校で育った私は、男子にとても興味がある。
男性誌を買うのはやや抵抗があるものの、「SPA!」は何かとおもしろい。

この雑誌がターゲットにしているのは、思うに(想像だから、男性諸氏、怒らないでね♪)、少し世間がわかって、少し疲れて、でもまだまだ向上心も好奇心もあって、文を読むのが苦にならない知的水準をもち、自分がイケてるようなイケてないような気がしつつ、きれいでやさしい女の子が大好きな男の人たちなのだろう。
なんとなく、まわりにそんな男性が多いので、「SPA!」は勉強になる(と思いこんでいる)。

それにしても、どうして男性誌には「ボクらの・・・」という見出しが多いのかなあ。
最近、PLAYBOYが、ちょっとかっこつけて「オレらの・・・」とやっているけど。
「ボクら」って言うと、ちょっと肩の力を抜いたあたりで連帯感がうまれるんだろうか。

それはさておき、「ビビリ体質」。
20~34歳(これを、この雑誌は「SPA!世代」と呼ぶ)の男性のほぼ6割が、自分は「ビビりやすい・動揺しやすい」性質だと思っている・・・YESなんだそうだ。

苦手な場面は「威圧的な態度の人の前」「人前で失敗したとき」などに加え、
「付き合っている彼女や妻の前で」というのもあった。
で、そういうときにどうなるかというと、「相手に言いたいことが言えずに黙る」「その場から逃げたくなる」「何も考えられなくなる」ことが多いそうだ。「涙目になる」人もいるらしい。「キレる」というのは、こわい。
それにしても、聞いただけで、胸の痛くなるような話だ。

いじめられた経験や人間関係でつまずいた経験などが積み重なって、「ビビリ体質」になるとSPA!は分析する。
「過剰な自意識」「人に嫌われたくない」というキーワードも出てくるが、
うーん、なんだか、中学生の悩み相談室みたいだなあ。

そのへんをクリアしたつもりで、
「俺は嫌われたっていい」「みんな(自分以外)自意識過剰」とくりかえす男性を数名知っているが、それも、高校生が虚勢を張っているようでかわいらしい。
だいたい、いい大人が「自意識」って・・・言葉を口に出すのも、けっこう恥ずかしかったりしないだろうか。

にしても、オトナのヒトたちって、そんなことで悩んだりしているのか~。
大きくなる過程で、何かをすっとばしてきたんじゃないのかなあ。

特集では、哲学者、作家、心理学者の三人に「ビビリとの向き合い方」を聞いている。
このくらいの分析は、高校や大学で、ちょっとものを考えた経験があればできるはずだが。

このSPA!の特集では、「ビビリーマン」対談がおもしろい。
26歳・会社員の男性が「職場では、時々、周りが一言褒めてくれたり、「元気?」って声をかけてくれたりすれば、ビビらずにうまくやれるのにと思うんだ」と言っているのには、もうしわけないけれど、笑ってしまった。
(雑誌だから、よけいに軟弱な要素を強調しているんだとは思うけど)

男性って、ほんとにデリケートなのねえ。