本を探して

ある本を探して、池袋の大型書店を巡った。
旭屋書店、芳林堂、リブロ、ジュンク堂の4つである。

中公文庫の目録には入っているので、絶版になっていないはず。
でも、どういうわけか、どこの書店にも在庫がないのだ。
こうなると、なんとしてでもほしくなる。

ところで、今回書店めぐりをして、対応の違いに驚いた。
親切だったのが、芳林堂およびジュンク堂。
「お取り寄せしましょうか」の一言があったのは芳林堂のみ。
ジュンク堂の店員さんは、コンピュータで在庫の確認をした上、さらに書棚を調べてくれた。
そして、「一週間か10日くらいでまた入ると思います」との対応。これにはとてもうれしくなった。

びっくりしたのは、西武デパートの中にあるリブロ。
「すみません、中公文庫に入っている本を探しているんですが・・・」
と文庫コーナーの女性の店員さんに話しかけたら、ドスドスと足を踏みならして、
「外国からいらした方ですか? 中公文庫はここです!」

私はたいへん驚いた。ふつうの日本語を話したつもりだったが。

「いえ、中公文庫に入っているこれこれの本を探しているんですが、書棚にないので、
 調べていただけますか?」
と聞き直したら、引き出しの中を調べてくれたものの、なんともつっけんどん。
忙しいときだったのかもしれないが、これはかなわないなあ。

おもしろかったのは、旭屋書店。
私が探していたのは、金子光晴の「マレー蘭印紀行」なのだが、
この書名は、耳で聞き取るのはむつかしい。
若い店員さんが、懸命にメモしつつ「え? ランイン紀行?」と聞き返し、なにやら赤くなっている。
あわてて「オランダとインドです」と説明したが・・・どんな漢字を想像したんだろう。いや~ん♪