TA初日

学部3年生の学生実習、わが研究室の担当パートが始まった。
私はティーチング・アシスタントとして、実験のお手伝いをする。

内容としては
・内分泌器官の形態観察(光学顕微鏡レベル、および電子顕微鏡レベル)
・生理活性物質の検出(免疫染色)
・潜伏睾丸
・性周期と卵巣機能
・性腺刺激ホルモンの作用
・生殖腺の形成

と、わりと盛りだくさん。

先日、マレーシアの空港で、農学部でサカナを扱っているオオクボさんに、この実習内容を話した。
「潜伏睾丸」が耳慣れないらしい。それはそうだろう。

要は、睾丸をあたためるとどのような変化が起きるかを調べる実験だ。
片っぽ睾丸をおなかのなかにあげてしまい、もう片っぽは普通に体外で冷やしておく。
3週間ほど放っておいてから、両方をくらべる、というもの。
あたためておいたほうは、見事に小さくなり、精子もほとんどつくられず、情けないことになる。

オオクボさんにその説明をしたら、何やら感心している。
と同時に、若干オソロシゲな顔をしていると見えたのは気のせいだろうか。
ま、ふつうのお嬢さんは、このような単語や事象を口にすることはないから、当然かもしれない。

さて実習であるが、今年の3年生は、なかなか器用だ。
今日は卵巣を摘出したり移植したり、というような手術の日。
みんな上手にやっている。

私は、ふだんそういう手術をあまりやらないので、すみっこで練習をすることにした。
汗をかいて格闘していたら、M教授がおもしろそうに見ている。
なんとか一匹手術を終えたら、一日の労力を使い果たした気になった。
うーむ。もう少し練習しないとなあ。