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弁理士の日

知財

 今日は、「弁理士の日」です。

 というわけで、弁理士を目指すわたしも、このイベントにのっかってみます!

http://twitter.com/benrishikoza/status/17384634615

 まだ資格をもっていないので、「わたしはなぜ弁理士になろうとしているのか」についても書いてみたいと思います。

弁理士とは

 弁理士は、「知的財産」を守り、活かすための専門職です。

 たとえば、発明やデザインなど、人が新しく生み出した情報や知識には、財産としての価値があります。

 また、商品やサービスにつけられた名前やマークなどの商標は、その商品やサービスに蓄積した信用をもあらわすものですから、やはり財産としての価値があります。

 そして、人の思想や感情を創作的に表現した著作物もまた、財産としての価値をもちます。

 こういったものが「知的財産」です。

 発明やデザイン、商標などは、それ自体が「財産」であり、いろいろな活用の仕方があります。

 たとえば、発明について考えてみると……

 ノウハウをほかの人に知られないようにしながら、画期的な物を生み出してもよし。

 逆に、誰にでも使えるように、すべてをオープンにして、みんなで協力しながら技術を発展させていってもよし。

 とはいえ、新しい発明は、その技術的情報がオープンにされて積み重なっていくほうが、社会全体の技術の進歩や産業の発展に役立ちます。

 しかし、多大な労力や資金を投入して生み出された発明であっても、その結果を他人がそっくりマネして、はるかに低コスト・低価格で製品を売り出されてしまうと、おおもとの発明の財産的価値がうすまってしまいます。

 そこで、発明についての詳しい技術的情報をオープンにする代わりに、一定の期間だけ、発明された物をつくったり、発明された方法を使用したりするための独占的な権利を与えるという制度がつくられました。それが特許制度です。

 特許権は、ほかの人がその発明を実施することを制限する、非常に強い権利です。

 ですから、どんな発明についても、無条件に特許権が与えられるというわけではありません。

 「この発明について特許権がほしい」と国に意思表示をし、国(特許庁)がその内容について詳しく審査をして、権利を与える価値がある、と判断されたものについてだけ、特許権が与えられます。

 デザインや商標についても、同じように独占的に実施、使用できる権利が与えられます。

 どのような発明・デザイン・商標について、特許権意匠権商標権を与えるかについては、法律等で定められています。

 

 したがって、ある発明・デザイン・商標について、どのように活かすかを考え、必要な場合に特許権意匠権商標権を取得するためには、法律と発明等の両方についての専門的な知識や経験が必要です。

 ここが、弁理士の出番です。(ほかにもいろいろあります)

わたしはなぜ弁理士になろうとしているのか

 わたしは研究者でした。

 大学・独法で研究をしていたあと、民間企業で研究開発の仕事をしていました。(弁理士には、こういう経歴の人が多いです)

 

 そもそも理学系の出身で基礎研究が好きでしたが、同時に、基礎研究をもっと社会につなげる仕事をしてみたいとも思っていました。

 そんなとき、ある女性弁理士の講演を聞いたのです。

 そこで聞いた弁理士という仕事の内容が、まさに私のやりたいことでした。そして、自分の力でさまざまな可能性をひらいていけるということに、とても強い魅力を感じました。

 そんなこんなで特許事務所の門をたたき、その女性弁理士のもとで特許に関する仕事を始めて、2年半になります。

 毎日の仕事は、はたから見ると、とても地味にみえるかもしれません。

 さまざまな文献(特許文献、論文、技術文献など)を読んだり、それをもとに、さまざまな文書の下書きをしたり、お客さまに出す手紙を下書きしたり。

 読んだり書いたりするのが好きなわたしには、楽しい仕事です。

 

 特許については、発明の内容の公開が前提となるため、発明の内容を詳しく文章で表現した文書(明細書)を書く必要があります。技術をことばで表現するというのは、とてもおもしろい仕事です。

 また、どのような発明を対象として権利付与を請求するか、ということについても考え、文章で表現する必要があります。これは、その発明を産業上どう活かすかということを考えることそのものであり、やはりとてもおもしろいところです。

 そして、日本や外国の特許庁とのやりとりは、法律と技術の両方に目配りしながらのディベートのようなもので、これもまた楽しかったりします。

 もっとも、無資格者は、実際にお客さまの代理をしたり、相談に乗ったりすることはできないため、今のところ、仕事の幅はかなり制限されています。

 いずれは、研究者や経営側の方々と緊密にコミュニケーションしながら、発見を発明にするお手伝いをしたり、幅広い知的財産の活かし方について考えたり発言したりしていけるようになりたいと思っています。

 そのために、とにかく早く弁理士の資格をとりたい!

 ということで、弁理士試験の受験勉強をしています。

 難しい試験なので、気持ちがくじけそうになることもあります。

 しかし、考えてみれば、最低限この試験に合格するだけの力がなくては、他人の権利に関わる仕事などできないのですよね。だから、これも仕事の一環だと思って勉強中です。

 当たり前ですが、法律の理解が進むにつれて、毎日の仕事の理解も進み、その逆もおおいにあります。

 資格をとったあとも、いくらでも学ぶことはあるでしょう。

 それがまた、大きなやりがいであると思っています。

 数年後の弁理士の日に、この記事よりもっといい記事が書けるようになっているといいなあ。