新・柳沢発言

産む機械」の柳沢厚労相が、また問題発言!というニュースを見たのですが。

・・・?? 今度はちょっと、何を騒いでいるのかわからなかったぞ。


問題とされているのは

「若い人たちは、結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」

のくだり。

これ、テレビで実際に話しているところも聞いたけど、特に腹が立つことはなかった。

野党側や与党の一部の人は

「子どもを一人しか産まない、またはまったく産まない人たちは不健全なのか!」

と叩いているようですが、それは揚げ足取りな気がするなあ。

結婚“していること”、子どもを2人以上“もっていること”が「普通」「健全」と言っているとしたら問題だけど(願っても叶わない人が不健全ということになるから)、今回の発言はあくまで希望・意志の話だと聞こえる。


確かに、結婚したい・子どもをたくさんもちたいと願って当たり前という決めつけは、ずいぶん旧時代的だとは思うけど、それはよくあるオジサンのご愛嬌というものでは。

結婚したいとも、子どもをほしいとも思っていない人は、そもそもこんな発言は笑って流すんじゃないだろうか。(似たような決めつけに、ずいぶん迷惑を被っているとは思う。私も、既に「2人目」攻撃は受けているけど、周りはそんなもんだろうなと思っているので、腹は立たない)

結婚したい、子どもがたくさんほしいと思っている人は、そう願うことそのものが健全だと言われているわけだから、何も怒る理由はない。

私はむしろ、「いいネタ、キターーー!」とばかりに飛びついて、嬉しそうにやいのやいの言ってる人たちに疑問符。


今回は女性に限った話題ではないけれど、女性にとって結婚・出産は大問題。

男性は生活を変えることなく、引き換えに失うものもなく、これら二つを手に入れることができる。でも、女性の場合は多かれ少なかれ、人生の一大転機となる。出産なんて、命賭けてるわけだ。

それを、軽々しく政治の駆け引きに使わないでほしい。私たちが、どれほど真剣にこの問題に向かっているかに思いを馳せてほしい。

女性政治家は、そこを何とも思わないのかな。


今回は、各マスコミがつけた「見出し」にもずいぶん恣意的なものを感じた。

あくまで、元発言は

「若い人たちは、結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」

というもの。

しかし、毎日新聞

柳沢厚労相:「子供2人以上が健全な希望」記者会見で発言

朝日新聞

「結婚・子供2人 極めて健全」 柳沢厚労相が発言

・・・違わない?

なーんか、反対世論を煽ろうという意図がミエミエなのだが。(しかしうまいこと省略するもんだ)



各紙の記事を以下にコピペ。

毎日新聞

柳沢厚労相:「子供2人以上が健全な希望」記者会見で発言


 柳沢伯夫厚生労働相は6日の閣議後会見で、自ら発言した「女性は産む機械」について「不適切な発言をおわびしたい」と改めて謝罪しつつ「与えられた職務を微力ながら全うしたい」と辞任する考えがないことを繰り返し強調した。今後の少子化対策については「結婚し2人以上の子どもを持ちたいという(若い人の)極めて健全な希望にフィットする政策を考えていかないといけない」と話した。【玉木達也】


毎日新聞 2007年2月6日 11時10分


朝日新聞

「結婚・子供2人 極めて健全」 柳沢厚労相が発言

2007年02月06日12時19分


 柳沢厚生労働相は6日の閣議後の記者会見で、参院の自民党議員から辞任要求が出ていることに対し「与えられた任務に、私の持つ力のすべてをあげて取り組んでいきたい」として、改めて辞任を否定した。さらに、今後の少子化対策への取り組みについて「若い人たちは、結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる。若者の健全な希望にフィットした政策を出していくことが大事」と述べた。


 国立社会保障・人口問題研究所が05年に実施した調査によれば、9割が「いずれ結婚するつもり」と答え、希望する子どもの数は「2子以上」が85%にのぼるが、実際にはそこまで達していないことを踏まえた発言。


 少子化対策では、若者の雇用安定化▽若年世帯に対する経済支援▽子育てを喜びと感じられるような若者の意識改革――などの政策が重要との認識を示した。


朝日新聞

「結婚・子2人は健全」 厚労相発言、与党内からも批判

2007年02月06日23時28分

 柳沢厚労相が6日、今後の少子化対策への取り組みについて「若い人たちは、結婚したい、子どもを2人以上持ちたいという極めて健全な状況にいる」と発言し、再び波紋を広げた。野党側は、子どもがいない場合や1人の場合は「不健全」とも受け止められると一斉に反発し、与党内からも批判の声が上がったが、安倍首相はあくまでもかばう姿勢を通した。


 柳沢氏は6日夜、記者団に「若い人たちの意識を説明した。文脈をよくみていただければ、誤解されることはない」と述べ、発言を撤回しなかった。結婚しない、または子どもを欲しがらない人たちが「不健全」と解釈される可能性については「子どもを産む産まない、結婚するしない、こういうものは個々人の自由意思で決まるという前提のもとで社会が成り立っている」と述べ、女性に出産を強要する考えはないことを強調した。


 だが、民主党の小沢代表は6日、山形市での記者会見で「(産む機械の)発言以来、一生懸命『不適切だった、ごめんなさい』と言っているが、彼自身の意識、考え方、体質が変わっていない」と批判した。


 共産党穀田恵二国対委員長は「1人だったら不健全、ゼロだったら不健全だと言いたいわけだ。全く反省していない」、社民党の福島党首は「子どもを持ちたくても持てなかった人や、持とうと思わない人に配慮がない」と批判。小沢、福島両氏と国民新党綿貫代表の3野党党首は6日夜の会談で、改めて辞任を求めることで一致。首相官邸で塩崎官房長官に申し入れた。


 与党内でも公明党浜四津敏子代表代行が「日本の少子化問題の本質を正しく理解していただかないと、厚生労働大臣の仕事はやっていただけないと思う」と批判した。


 しかし、安倍首相は6日夜、首相官邸柳沢厚労相の発言について「特定の価値観について述べたものではないと思う」と述べ、問題視しない考えを示した。