宵の口、粉雪がまだちらつく中を、自宅から歩いて10分ほどのフランス料理店へ行った。
私たちが最初の客だったが、この悪天候の中、あと二組ほどの来店があったところを見ると、やはり人気なのだろう。
なんとも家庭的な懐かしい味で、でも一般家庭では絶対つくれないなーという献立は以下。
<かぶのババロア>
かぶのポタージュをそっとまとめたような感じ。香り高く、思わず顔がほころんでしまうほどやさしい口当たり。かぶの葉のソースが目に鮮やか。
<鱈の白子のパン粉焼き>
とろっとろの白子を香ばしいパン粉の衣でしっかりと包んであり、濃厚だけど雪のように消えてしまう。どうやったらこんな火の通し方ができるのだ??
<目鯛と根菜の蒸し煮>
根菜はトマトソース風味。新鮮な目鯛がしっかりとした歯ごたえ。
<牛ほほ肉のワイン煮込み>
魚用スプーンで供された理由は、その類稀なる柔らかさにあった。プリンを掬うみたいにスプーンが通る。足をばたばたしたくなるくらいおいしい。
ワインソースもシンプルだけど絶品。あの甘酸っぱさは砂糖じゃないだろうなあ。ただの蜂蜜でもなかろう。ぶどうジュースか何かで甘みをつけて煮詰めてあったのではないだろうか。
つけあわせに、とりどりの野菜ときのこのバターソテーがたっぷりと。バターの香りが素敵だけど、決して押しつけがましくない。私がつくっていたバター焼きは田舎臭かったのだと反省。
<チーズ>
夫の赤ワインが少し残っており、私がナチュラルチーズに飢えていたこともあって、盛り合わせを頼んだ。昨日は白カビ・ヤギ・ブルー・ハードの4種類。
白カビはサンタンドレか何か、クリームを増強したタイプだと思う。脂肪分が高くて口当たりがいい。
シェーブルはフレッシュで、誰でも抵抗なく口にできるタイプ。カードの触感が少し残っていて、フレッシュ感ばっちり。
ブルーはゴルゴンゾーラのマイルドな方かな? 夫はこれでも苦手らしく、はちみつと混ぜたり、ぶどうパンにつけたりすればなんとかいけるようだ。私は大好き。
ハードチーズは、パルメザンの薄切り。
総じて、日本人の口に合う無難なチョイスでした。今度はもっと癖があるのも食べたいな。
<クレーム・ブリュレ>
ブラウンシュガーのアイスを乗せて。バニラビーンズたっぷりで幸せな味。
お酒が飲めないのがほんとに残念だったけど、グレナデンシロップを沈めたグレープフルーツベースのノンアルコールカクテルがおいしかった。
腹ごなしに雪遊びをしながら、またゆっくりと家路に着いた。子どもが生まれてくるまでの、貴重なデートの一日。