新婚半年の日常

新妻にありがちな失敗のひとつに、記名するとき旧姓を書きそうになる、というのがあって、嬉し恥ずかしの瞬間である。挙式からもうすぐ半年が過ぎようとし、いいかげんその手のかわいらしさも薄れつつある今日この頃、油断していたらやってしまった。試薬の瓶にラベルを貼っているときのことである。


どこの研究室でもそうだと思うが、試薬の瓶にはふつう「試薬の名前と濃度・つくった年月日・つくった人の名前」を記したラベルを貼っておく。たとえば「5M NaCl、050711、Niizuma」といった具合。ちなみに5Mは5モル/リットルという濃度、050711は'05年7月11日を表す。人によると思うが、私は名前もローマ字表記する癖がついている。

このように一連の決まり事になっているため、半ば無意識に手が動くらしく、050711と書いた直後に、すらすらと旧姓を記してしまった。

ひとりで顔を赤らめつつ訂正したが、慣れとは恐ろしい。しかし、そんなものに最も慣れているということも、それなりに恐ろしい。


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日曜は、池袋で母とデート。父からのおみやげのあご野焼き+その他大量の食料をもらって帰る。

一緒にデパートをぶらぶらしていたら、母がノリタケのバーゲンが開催されていることを思い出してくれた。


何を隠そう、わが家の食器棚には貧弱な食器類しかないのである。


きっといろいろ食器をもらえるんだろうなあ、という意地汚い期待のもとに、私の一人暮らし時代の寄せ集め、および100円ショップの品物で日々暮らしていたのだが、待てど暮らせど、食器は集まってこない。

「結婚祝いにはみんな食器を贈るものだから」「こういうものは奥さんの趣味があるし」といった理由からであろう、見事にどなたも食器をくださらない(注・高校時代の恩師には漆器をいただいたし、叔母と従妹からは素敵な夫婦湯呑をいただいて、日々使わせていただいている)。


さすがにほとぼりもさめてきたこととて、これから食器が(タダで)手に入る可能性は非常に低いであろう。さてどうしたものか、と思っていたところにこのチャンス。ええもう、目を皿のようにして選びましたとも。ちょうどいい大きさのミート皿にちょっとした小皿、少し深さのあるフルーツ皿、深めのスープ皿、それぞれ5客ずつで1万7千円弱ですわよ、奥さま。しかも、すべて食洗機O.K.のボーンチャイナがこのお値段なら、そして母の援助が1万円あるなら、これは買いに決まっています。

食器は水曜日に届く予定。楽しみ~♪

相変わらず、日曜の夜にはご飯をつくってくれる夫。恵まれてるよなあ。もっと感謝しないとね。