雪中散歩

ここのところの騒ぎで、仕事と家庭を回すのに精いっぱい。休日は体調の回復に費やす日々が続いていたのだが、昨日の土曜日はちょっと散歩に出る元気が出た。

朝からの雨が、昼過ぎにはみぞれに、そして大粒の雪に変わった。
この冬は特に雪を見ることが少なかったので、なんとなく浮き浮きした気持ちになる。
長靴を履いて、カメラを持って、いざお散歩へ。

折しも東京で桜の開花宣言が出たところだった。
ならばと桜並木を見に行ってみると、なるほど咲き始めている。

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天気も天気だし、ご時勢もご時勢なので、外を歩いている人はほとんどいない。
傘を差してひとりで歩いていると、屋外にいるのに、自分だけの空間にいるような気持ちになれる。

歩いている間にも、雪は、粒が大きくなったり、細かくなったり、雨がたくさん混じったり、雪の割合が多くなったり、とめまぐるしく降り方が変わる。
人がいない世界で、空と話しているようだ。
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木の下を歩いていると、雪と雨の塊が傘にバタン、パタンと落ちてきて、お祭りの太鼓みたいな音がする。
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細かくなった雪が、咲きかけた花と渾然一体になっていく。
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もうすぐ満開になった桜をたくさんの人が見にくると思うが、この日のこの風景を見た人はごくわずかだろう。