最近、子供と私が特に楽しんでいる本をご紹介。
ちいさいモモちゃん
言わずと知れた、「モモちゃんとアカネちゃんのほん」シリーズの第一作。
もう内容は忘れてしまったという大人の方でも、「あめこんこん ふってるもん うそっこだけど ふってるもん」や、「おねえちゃんだもん おおきいんだもん おちゅうしゃだって なかないし おくすりだって のめるのよ」といった可愛らしい歌を、ご自分のメロディーでおぼえている方は多いのではないでしょうか。
親になってから読んで、どきりとしたのは「モモちゃん、おこる」。
お仕事で帰りが遅くなってしまったママに腹を立てたモモちゃんが、そらいろのでんしゃに乗って、ほかの子供たちと一緒にお空に行ってしまい、また帰ってくるお話です。読みながら、喉がぎゅっと締めつけられるような思いがします。
子供向けだからと言って、ただ口当たりがいいばかりのお話にはしないのが、松谷みよ子さんの物語の魅力だと思います。
おしいれのぼうけん
保育園児のころの私がいたずらして貼ってしまったシールがまだ残っている古い本を、今は子供が読んでいます。
子供の体温と、汗と、心臓の鼓動が、そのまま伝わってくるような、スリル満点のたのしい本ですが、大人になってみると、彼らをおしいれに入れた先生の立場になって考えることが多いかもしれません。
そして、さとしとあきらが冒険を終えたあと、デゴイチに乗ってうとうとしながら、窓の外にたくさんの星を眺めて、あることに気づくシーン。さりげないようですが、とても美しいところだと思いました。
去年、NHKの「おはなしのくに」で、この「おしいれのぼうけん」が取り上げられました(→こちら)。中川晃教さんの語りと演技がぞくぞくするような迫力だった上に、映像も素晴らしいものでした。
NHKデジタル教材ブログさんによると、世界最大級の地下放水路である、首都圏外郭放水路で大規模なロケを行ったとのこと。こちらも、何度でも見たくなる名作だと思います。
古田足日さん、田畑精一さんコンビによる続作「ダンプえんちょうやっつけた (絵本ぼくたちこどもだ 2)」も、最近は気に入って読んでいるようです。
図鑑
手軽に広げられるこちらの図鑑
のシリーズの出番が多いです。
「魚」図鑑は、テレビで魚が出てきたときにその魚を調べてみたりするのに重宝しています。
今の版ではどうなっているかわからないのですが、手元にある版では、それぞれの魚について、食用かどうか、食用だとしたらおいしいかまずいか、そのおいしさ(まずさ)はどの程度かについて、妙にくわしく記載されているのがおもしろいところ。
・マグロの中でもっともおいしい(クロマグロ)
・カジキよりおとるがおいしい(バショウカジキ)
・他のマグロ類よりまずい(イソマグロ)
・シシャモよりまずい(キュウリウオ)
などなど。
子供は、見つけた魚が「おいしい」とわかると、食べてもいないのに大喜びしたりしています。
「地球」図鑑は、身近な気象や地学的現象もわかりやすく解説されています。ニュースを見ているときなんかに(主に「それなあに」「どうして」に親が答えるためのアンチョコとして)便利です。子供が本文を自分で読んで理解できるようになるのは、もう少し先だと思いますが、図解をおもしろがって見ています。
ながいながいよる
いちばん最近、本棚の仲間入りをしてくれた本です。
太陽がいなくなってしまった森の中で、いろいろな動物たちが、太陽を呼び戻そうとします。最後に太陽を呼び戻すのに成功したのは……?
とにかく絵が美しい! 大型絵本なので、存分に絵の美しさと迫力が味わえます。
そして、シンプルで力強いことばもまた、美しいです。
凍えるような寒さが肌に迫ってくるような思いで息を止め、ページをめくり、ほっと息をつく。
どれほどたくさんの言葉でつづられた本を読み慣れても、このような絵本の魅力が色あせることはないように思います。