食品会社における研究の意義

入社以来考えつづけていることなのですが、たまたま高橋久仁子先生の御本が出たので。


そうなのだ。

結局は、魔法の健康食品なんてなくて、バランスの良い食生活を送ることが一番良いのだ。

食品の研究を深めれば深めるほど、実はそのことが痛いほどわかってくる。


しかし、「探せ!機能性成分」「目指せ!トクホ」の研究を続ける限り、どこかでフードファディズムを煽ることに荷担してしまう。


かといって、食品メーカーはすべて悪で不要かといえばそんなことはありえない。

国民に良質な食べ物を提供するためには、どれほど原材料高の逆風が吹こうとも、食品をつくりつづけるメーカーは必要だ。


問題は、今のような研究しかできない私自身が、必要なのかどうかということ。

何かしら、きちんと方向性を見定めなくてはいけない。


松永和紀のアグリ話●健康食品で健康は買えない-高橋久仁子教授の新著を読む より。

学術研究も、報道と同じかもしれない。特別なこと、新しいことでないと評価されない。だがそれと、人の暮らしにおいて大事な本質はたぶん異なる。


【追記】

高橋先生や松永さんのやっていらっしゃることには200%賛成で、諸手を挙げて応援!なのだが、これを推し進めていくと

 → 食品メーカーの研究所では、「おいしさ」を研究・開発する人員だけを残せばよいのではないか。

 → そして、健康に関する研究をする人材は、医薬の分野に集中する、と、

 → 理系(というかバイオ)人材の有効活用と、食品産業の正しい振興に貢献できて万々歳。

という、非常にラディカルな結論に達してしまう。はははー。