すっかり母乳っ子になってしまった娘。とにかく哺乳瓶とミルクが嫌い。
誰かに娘を預けるときのために、一日一回くらいはミルクを飲ませて、哺乳瓶に慣らしておこうとしているのだが、毎回毎回悪戦苦闘。
おなかが空ききったら飲むかと思いきや、いっそう激しく哺乳瓶を拒否。そこまで不快度が上がりきってギャン泣き状態のときは、不安でおっぱいを求めるものと見える。
そこでこの頃は、お風呂上がりの喉が渇いているとき、しかし、まださほど機嫌が悪くなっていないタイミングで与えることにしている。
これだと、おっぱいとは別の、趣味の飲み物とでも認識するのか、いちおうは飲んでくれる。
しかし、ほんと~うにミルクが嫌いらしい。
「このまじゅいものは、いつまでのめばいいでしゅか」
とばかり、しょっぱい顔で恨めしげに私を見上げながらちびちび飲む。
ちょっと飲んでは一休み。舌でニプルを押し出そうとしながら、
「まだのむでしゅか」
と言いたげな目で、じーっと私を見つめる。
ああ、親のエゴでごめんね、と思いつつ、「おいしいねー、ああおいしい。ミルクおいしいね~」などと猫なで声でごまかして飲んでいただく。
だいたい100 mlくらい飲んだところで、なんとしてもニプルをくわえなくなる。
これでおなかいっぱいになったのね、と安心してはいけない。「おっぱいちょうだい~!」の大泣きが始まるのだ。
はむっとおっぱいに食らいつくと、
「はやくこれをくれればいいのでしゅよ(ぷんすか)」
と、横目の薄目で私をにらみながらぐびぐび。
おっぱいコールを出すタイミングは、いつも計ったかのようにほぼ100 mlのミルクを飲んだあと。
さてはおぬし、これくらい飲んでくれれば良しとしよう、と私が思う量をおぼえたな。
すっかり足元を見られているかーちゃんなのだった。