キンモクセイは甘く匂えど

数日前から、キンモクセイの香りが強くなってきた。

高校のころ、今日のタイトルの歌を習ったおぼえがある。

コールユーブンゲンのあとはコンコーネで、試験曲はイタリア歌曲、というおそろしくもクラシックな音楽教育を受けてきた(しかも中学・高校と)からこその記憶であろう。


ご出身は東京音楽学校という、これまたすばらしい経歴の持ち主、清水先生はやさしくも厳しい方だった。

「あなたたち、ガ!ギ!グ!ゲ!ゴ!なんて汚らしい発音しないでちょうだい。ンがンぎンぐンげンご、ですよッ」

と、鼻濁音も叩き込まれた。


そんなことを思い出す今日、雨も降り出して、少々さびしい。