実験に使うクラッシュアイスを入れるアイスボックスには、いろんな形がある。
大きいの、小さいの、ぶらさげる紐がついてるの、ついてないの。
これらを目的に応じて使い分ける。人によってなんとなく好みがある。
私は、浅くて面積の広いのが好きだ。
これだと、50本くらいのチューブを並べて扱えるし、氷の上でシャーレから培養細胞をはがす作業もやりやすい。
この形のアイスボックスは研究室にひとつしかないのだが、あまり使う人がいず、古ぼけてきたため、しばしば捨てられそうになった。
あまりに何度も捨てられかけたので、この愛する箱を救うため、私は箱にでっかく署名した。どこの面から見てもわかるように、墨くろぐろと(マジックだけど)。
ついでに「捨てないで」と書き添え、赤いハートマークをつけておいたのだ。
うん、かわいい♪ これでだいじょうぶだろう。
すると先日、Eくんがそれを見て、「書き慣れてないハートだ」と笑いものにした。
・・・うるさい。
「なんか、小学生が初めて書いたバレンタインのカードみたいっすよね」
いーじゃないか。だいたい、発泡スチロールって書きにくいんだもん。
ちょっとゆがんだだけじゃん、と思って改めて見直すと、たしかに稚拙なハートマークだ。
でもまあ、初々しくていいでしょ、と言ったら、
「そういうことを言っていいのは十代までです」
と冷静な宣告。
ちょっとくやしい、二十代半ばの晩夏であった。
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本日の統計
解析ソフト「StatView」を使ってみる。きれいなグラフが簡単に描ける。
しかし、頭から抜け落ちた統計学を再インストールはしてくれない。
やっぱ勉強するしかないか。
本日のコンタミ
なんか変なコンタミが起こると思ったら、どうやらガラスピペットの滅菌不十分。原因がわかればそれで良し。
トランスフェクション後、1日でアッセイは可能か? その謎は今夜、明かされる。