トランスジェニック・サル 続き

昨日の「遺伝子組み換えサル」について。
筑紫哲也氏のNews 23では、『クラゲ猿』というものすごい見出しをつけていた。

うーむ、ますます誤解を招く表現だ。
ぷにゃぷにゃの、水っぽいサルができたみたいじゃないか。
キメラじゃないんだけどなあ。

クラゲがつくるタンパク質を、ただ1種類、つくることができるだけなのに。
クラゲ猿。

News 23では「クラゲから抽出した遺伝子をサルに入れた」という表現をしていたが、これがいけないのかな。
クラゲのゲノムを1セット、そのままサルに組み込んだみたいに思えてしまう。

遺伝子操作について、じゅうぶんな倫理観を持つためには、「この程度なら」という感覚が危険なのはわかる。
科学者は常に、まともなヒューマニティと感性を持ち続ける努力をすべきだ。
でも、はたして報道する側は、今回の仕事が、一連の研究の中でどういう重みと価値を持つのかを、正確に認識しているだろうか。
ただいたずらに、センセーションやショックを煽っているだけでないことを祈る。

GFPは便利なので、世界中で広く使われている。
もちろん、わが研究室でも、使っている。
この業界では、かなり身近なタンパク質だ。

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本日の道案内

私は、よく道を聞かれる。
街を歩いていても聞かれるが、キャンパス内だと、ほんとうによく聞かれる。

なぜだろう。
この親しみやすいインターフェースのせいだろうか。
いろいろ考えてみたが、よくわが身をふりかえれば、当たり前だ。

年頃の女の子なのに、手ぶらでジーパン履き。ダウンジャケットのポケットに手をつっこんで、すたすたとキャンパス内を歩いていれば、土着の民に見えるに決まっている。