ことばについて

今朝の朝日の13面、『鶴見俊介さんと語る~心に届かぬ言葉、横行』(詩人、アーサー・ビナード氏との対談)が良かった。

官僚、政治家の使う言葉についての批判が主だが、

言葉を使う前提となる理解を書いたまま言葉を使い続けている

という鶴見氏の指摘は、政治の場面だけにとどまらないだろう。(もちろん私も反省)


ところで、私がウェブ日記を書き始めたのは、2000年の11月から。

途中でブログに移行してからも続けて、かれこれ6年以上書いていることになる。

私の文体は右往左往しながら、ある程度かっちりした「書き言葉」に落ち着いている。

ものすごく読みにくいということもないと思うが、飛び抜けてとっつきやすいということもないと思う。


人気ブロガーさんたちの文章を見ていると、上手に行間を空けて「間」を表現したり、テンポよく自己ツッコミを入れたりして、つるつるととっても読みやすい。うまいもんだなーと思う。

椎名誠たちによって生まれ、一世を風靡した「昭和軽薄体」以来の新しい言文一致体が生まれている気がする。


私も、もう少しくだけた調子にしてみようとした頃もあったが、自分の実人格とどんどん乖離していく感じがして、どうもうまくいかなかった。

書いていることと、ほんとうに自分の思っていることとが離れていくのだ。

根が大しておもしろおかしい人間ではないのに、文体をつくろうとすると無理が出るのかとも思ったが、それは言い訳。

一流の芸人さんはプライベートではくそまじめだったりするとはよく聞く話で、私に芸がないだけだろう。


実のところ、今流行りのブログ文体をそのまま真似しようという気はあまりない。

しかし、サイエンスライティング友の会の末席を汚している以上、自分の文章が「技芸」の名に値するかどうかは、常に考えておかねば。

・・・それ以前に、内容なんだけど。




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