リラキシン

微妙に子宮周りの筋肉(じん帯?)がつれたり、骨盤や恥骨あたりがゆるんでいるような重だるい痛みがあったりする。

こういう変化はリラキシンのせいなんだということは、さすがに元内分泌学研究室の学生だけにわかる。しかしリラキシンってどこから分泌されるんだったっけ? さっそく検索してみると、妊娠黄体説と、胎児絨毛説(もしくは胎盤説)と見事に論が分かれている。むむぅ。はっきりしてくれよぅ。母の気持ちとしては、絨毛とかであってくれたほうが、なんとなく胎児の発達がきちんといっている証拠のように思えてうれしいのだ。


しかたないので、仕事道具のPubMedで検索。1995年のこんな論文がひっかかってきました。

アブストラクトによると、 妊娠黄体 > 通常の黄体 > 胎盤と前立腺 > 壁側脱落膜の順で、多くのリラキシンが存在するんだとか。そうか。やっぱりメインは卵巣であったか。でも、いろんな組織から出てることは出てるのね。今度はリラキシンの分泌を促進する機構が気になるなあ。

それにしても、前立腺って・・・? 


ちなみに、2002年のこの論文では、妊娠期のチャイニーズ・ハムスターで、血中リラキシン濃度および各組織におけるリラキシン分子の局在を調べている。アブストラクトによると、胎児の栄養膜細胞からたくさん分泌されていて、母ハムスターの卵巣にはないらしい。きっぱりと「卵巣にはない」と書いてあるけど、どういうことだろう。

こちらはありがたいことに無料で全論文が読めるので、本文を見てみると、分泌器官は種によってけっこう異なるんだそうな。胎盤からたくさん分泌されるげっ歯類はハムスターだけらしい。

おもしろいですね。


次の検診(今週の土曜日)までのドキドキを、こんなお勉強で紛らわせている有給休暇の一日であります。