なつかしい仕事

昨日は、実験材料であるメイガの餌をつくった。

原料は、ふすまとイースト、保湿材としてのグリセリン。これをひたすら混ぜるのだ。


ふすまは、レンジで熱くして、カビなどのいけないものを殺す。

これをやると、分子生物学の研究室らしからぬ、はなはだしく香ばしいいい匂いがただようため、

ある程度、人がいなくなってからやらないと、ヒンシュクをかう恐れがある。

而して、夜のお仕事となる。


3年前の卒業研究でも、このエサづくりをよくやっていた。

熱々のふすまに手をつっこんだとき、なつかしい感触にうれしくなった。

そばでショウジョウバエを解剖していたSSKさんが、「若返った気がした?」と聞く。

うなずくと、「でもね、それは気もちだけなんだよ」とよけいな念を押す。


そうこうしていたら、去年、ここで卒業研究をしていたIくんが登場。

エサをつくっているのをみて、「なつかしいっすね~」と歓声をあげる。

ひとつには、あたりにただよう匂いのせいもあるだろう。匂いは記憶を呼び起こす。